グレッグ・イーガンの最新訳書「クロックワーク・ロケット」を買った。
「読んだ。」ではない。「買った。」というご報告である。
どうせなら読んでからレビューなり感想なり書けばいいじゃない。
ごもっとも、心底ごもっともでございます。
でもね、読了できるかどうか自信がないのよ。
ご存じない方のためにグレッグ・イーガンという作家について簡単に説明すると、
現代最高のSF作家のひとりとして数えられる、オーストラリア出身の小説家。
いわゆるハードSF、つまり、科学的に正確な考証に基くアイディアや、理工学的知見に基づいた論理的かつ厳密な描写(もしくはそう信じさせるような壮大且つもっともらしいウソ)に重きを置くようなスタイルの小説を主に書いておられる方です。
ソフトウェアとして電脳空間に生きる未来人の世界を通じて、アイデンティティの問題を扱う作品が比較的多かったんだけれど、最近刊行されるのは、知性と世界のかかわりというか、知性がどのように自分を取り巻く世界を理解し、その仕組みを解きほぐしていくのか、といったテーマのモノを連発しております。
今回買った「クロックワーク・ロケット」も、我々の宇宙とは全く違った法則・論理によって成り立つ宇宙に住む知的生物のお話のようなんですが、前作「白熱光」もやはり極端な環境(ブラックホール近傍?)に住む知的生物が、みんなでがんばってがんばって世界の謎に挑戦して、相対論まで行き着くというような話、らしい。
らしい、と言ったのは実は僕、途中で投げ出してしまって読了してないんです。。。
だってもうね、物理法則も違うわ、「光」とか「風」とかいう名詞が意味するところすら人類のそれとは違う(っぽい)わ、「仰ることがよくわかりませんが。」といった状態になって、読まなくなってしまいました。
いつか続きを読もうと思っていたところに、今回本屋さんで新刊(と言ってももう半年前に出てたようですが)の「クロックワーク・ロケット」を見つけてしまい、とりあえずご購入に至った訳です。
既刊の長編「ディアスポラ」も、当時いろんな人のレビュー見て、「史上最高に難解」だの、「ペンと紙を持って読まないと理解できない」など、散々脅かされて、実際手に取って20ページほど読んだ時点で、一瞬そっと閉じそうになりましたが、読み進めていくとお話自体は非常にシンプルで、いまだに何度も読み返す愛読書となりました。
「白熱光」もちゃんと気合を入れて読み返せばそんな素敵な愛読書に昇格できるのかもだけれど、とりあえず今回の「クロックワーク・ロケット」の導入部分がまるでバーバパパを見ているような牧歌的な感じなので、とりあえずこっちから読んでみようと思うのであった。
出来れば近いうちにこのブログにて読後のレビューをしたいと思う。
